安くて自由なのが魅力の格安SIM・格安スマホ。しかし、もちろんデメリットがないわけではありません。今回は、MVNOへの乗り換えをご検討中の方に向けて、あらかじめ知っておきたい注意点をご紹介します。

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もっとも注意すべきは帯域制限

格安SIMには、月々で使えるデータ用量というものが決まっています。そのため、安い料金にばかりこだわっていると帯域制限というものに引っかかり、ネット通信が劇的に遅くなって満足にスマホが使えなくなってしまう、という可能性もあるので注意しましょう。

では、2GBのプランで契約を行った場合、どれくらいのネット通信できるのでしょうか?たとえばYahoo!のトップページを観覧した際には、おおよそ220KBの通信量が必要です。そのため、2GBだと9000回程度の表示が可能となります。

この結果だけを見ると「意外に多いかも?」と思われるでしょう。確かに、9000回の表示なら一日に300回Yahoo!のトップページが観覧できる計算です。しかし、スマホの用途はYahoo!を見るだけではありません。

たとえばYouTubeの動画を観たとします。動画はWebページに比べて多くの通信が必要となるため、解像度にもよりますがおおよそ5分で40MB程度の通信量がかかります。これを2GBで考えると、なんと50回(250分)しか観覧ができない計算です。一日に2回、5分の動画を見ただけで帯域制限に引っかかってしまうのです。

格安スマホには通話料低額プランがない

次に気をつけたいのが通話代です。現在、docomoやau、Softbankといった大手キャリアでは、通話し放題プランが提供されており、これを契約することで電話代を気にせずにいつでも何時間でも通話が可能です。

しかし、MVNOの場合にはこうしたプランが2015年12月現在では見当たりません。さらに、通話料も30秒20円と割高です。そのため、大手キャリアと同じような感覚で電話を使い続けていると、携帯料金が高額請求となってしまうことも。

とは言え、2014年の統計を見てみると、一カ月に30分以上の通話を行っている人はなんと全体の25%に過ぎないのだとか。最近はSkypeやLINE電話といった、いわゆる無料のインターネット電話サービスの利用者も増えています。そのため、通話料金が高さがそのまま高額な請求につながる、ということはないでしょう。

乗り換えに関する注意点

MVNOには基本的に店舗がありません。そのため、契約や端末の設定は自分で行う必要があります。さらに、キャリアメールが使えない、という点もデメリットのひとつでしょう。そしてなんと言っても、はじめに端末を自分で用意しなくてはならないため、その購入代金がかかる可能性があります。

しかし、格安SIMのセットや端末の設定はそこまで難しいものではありません。手順書通りに設定をすれば、ほとんどの方ができてしまいます。また、最近は連絡手段にLINEを使っている、という方も多いですよね?そのため、キャリアメールにこだわる必要がないかもしれません。

さらに、端末の用意も実は節約が可能です。たとえば、docomoやauのスマホを持っているという方であれば、割賦が終わっていればそれを使い回すことも可能です(ただし、それぞれのキャリアの回線を借りているMVNOを選ぶ必要があります)。また、最近はまさに“格安スマホ”という名にふさわしい1万円台の端末も登場しています。初期費用が気になる、という方も、これならそこまで気に病む必要はないでしょう。

LINEアカウントの引き継ぎについて

もうひとつ注意したいのが、LINEアカウントの引き継ぎです。LINEのアカウントの引き継ぎには、通常SMS(ショートメッセージサービス)が利用されます。しかし、格安スマホを使う方の中には通話プランを外し、ネットのみの利用を考えている方もいるでしょう。この場合、電話番号でやり取りができるSMSが利用できません。

そのため、通話なしの格安スマホの場合は、メールかFacebookでの認証を行わなくてはなりません。また、メールアドレスをキャリアメールで登録すると、その後の引き継ぎがかなり面倒なことになるので、GmailやiCloudメールなどを使うようにしましょう。

まとめ

格安スマホ・格安SIMを使う場合には、帯域制限と通話料、そして乗り換え時の注意店といったポイントに気をつけなくてはなりません。そのため、ご自身がどれくらいネットや通話を行うのかをあらかじめ調べ、適切な会社とプランを選ぶことが大切です。